最近ジワジワと話題沸騰中なのが、食材を低温で調理する『低温調理法』。
低温で調理すると、「沸騰したお湯」や「熱々のフライパン」で調理するよりも、食材が柔らかく旨味も逃げないのが特徴であり最大の魅力です。
しかし低温で調理するとなると、気になるのは加熱不足による食中毒のリスク問題ではないでしょうか。
そこでこの記事では、低温調理器を使った料理で食中毒になるか、リスクや安全性を調査しました。
安心して低温調理器をお使いいただくためにも、ぜひこの記事をご参考いただければと思います。
低温調理器の食中毒のリスクや危険性は
低温調理器を使った料理で食中毒になるのか。
結論から言うと、規定される「時間」「温度」を守らなければ食中毒が起こる可能性はあります。
しかし言い換えると、規定の温度・時間をきちんと守れば食中毒になる可能性はほぼ無いと言うことです。
厚生労働省が規定しているのは、食材の中心部分を「63℃」で「30分」加熱するということ。
ただ、これは63℃のお湯に30分つければいいという意味ではありません。
肉の中心温度である芯温が63℃まで上がってから30分です。
芯温が目標温度まで温まる時間は、15分ほどみれば十分ということです。
この条件であれば食中毒のリスクは下げることができ、低温調理の安全性も高まるとのことでした。
63℃を満たない温度でも、それ同等の加熱条件のパターンをまとめてくれているブログ記事がありましたので、是非ご参考ください。
→https://nick-theory.com/equiv63for30/
低温調理器を使って作る料理は、全てこの規定「時間」と「温度」を守られています。
そのため、低温調理器を使った低温調理法でも、きちんとレシピ通りに作れば食中毒になる危険はほぼ無いと言っていいでしょう。
なので、低温調理器を購入したあとに調理をする際はしっかりとレシピどおりの時間と温度の設定を忘れないようにするといいですね。
ここからは食材の注意点など含めて食中毒になる原因など細かい部分についてお伝えしていきます。
低温調理した食材の注意点
正しく加熱が出来ていれば、ほとんどの食中毒原因微生物は死滅します。
しかし、「セレウス菌」「ウエルシュ菌」「ボツリヌス菌」などが形成する芽胞の状態では通常の加熱では死滅しません。
ただ、芽胞を形成する菌は“食中毒を起こすための毒素”がなければ、菌が残っていても問題はありません。
低温調理後も、食材を4℃以下の環境に置くと毒素の増殖を抑制することができます。
(芽胞を死滅させるには126℃で20分の加熱が必要)
低温調理した食材の注意ポイント
★ 細菌や毒素が増えていない新鮮な食材を使う
★ 食材は常温で放置しすぎず、素早く調理する
★ 低温調理後は4℃以下で保存
★ 7日以内に消費することが推奨
細菌の増殖可能温度
主な「食中毒原因微生物」の、増殖可能な温度帯をまとめました。
この温度帯以外では微生物が増殖することが難しく、食中毒の発生を抑えることができます。
逆にいうと、この温度帯の範囲では微生物の増殖が激しくなり、場合によっては数時間で食中毒になる可能性があるので注意してください。
カンピロバクター 30〜46℃
サルモネラ 5〜46℃
腸炎ビブリオ 10〜43℃
黄色ブドウ球菌 7〜48℃
ウエルシュ菌 10〜48℃
ボツリヌス菌 10〜48℃
セレウス菌 10〜48℃
リステリア 0〜45℃
エルシニア 0〜44℃
腸管出血系大腸菌(O157) 7〜46℃
一つ一つ覚える必要はないのですが、低温調理器を使って低温調理をする際に、温度や時間を守らないと上記のような菌が原因で食中毒になるリスクがあるということです。
「調理の時間をもっと短縮したいな」
と楽な気持ちを求めて、レシピ通りの時間を守らないと料理が美味しくなくなるだけではなくリスクもあります。
しっかりとレシピを確認して低温調理をするようにしましょう!
まとめ
低温調理器を使った料理で食中毒になるかリスクや安全性を調査結果のまとめでした。
結論から言うと、規定される「時間」「温度」を守らなければ食中毒が起こる可能性はあります。
ですので厚生労働省が規定している、食材の中心部分を「63℃」で「30分」加熱するということを守りましょう。
そして低温調理後の注意点は、この4つ。
・ 細菌や毒素が増えていない新鮮な食材を使う
・ 食材は常温で放置しすぎず、素早く調理する
・ 低温調理後は4℃以下で保存
・ 7日以内に消費することが推奨
低温調理器を使った料理は、注意点を守れば美味しく安全に食べることができます。
食中毒にならないためにも、規定を守り、調理後の保存方法もしっかりと守りましょう。
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