カルマの意味をわかりやすく解説!使い方やキリスト教との関係も

「カルマ」と聞くと、何を思い浮かべますか?

・アニメのキャラクター
・アーティストの曲
・スピリチュアル用語

などなど、様々なコンテンツで耳にする言葉ですが・・・

【因果応報】や【自業自得】に関係する「カルマ」という言葉もあるんです。

なのでこの記事では、宗教で教えられており‟業(ごう)”という使われ方もする「カルマ」の意味を分かりやすく解説していきます。

カルマとは?

仏教を含めた古代インド哲学の中に、カルマの法則というものがあります。

※仏教聖典(お経)では、「カルマ」を業(ごう)と訳すので、カルマも業も同じ意味なんです。

カルマの法則は、「自分がなしたことが自分に返ってくる」と説きます。

・因果応報
・自業自得

などという言葉は、私たちの日常にもよく使われているのでご存知の方も多いですよね。

そして、全ての現象において‟その原因があって、その結果がある”という思想。

なので、「因果の法則」とも言われますが、これは仏教の中心法則である、

因縁=縁起の法

とつながる、重要な法則なのです。

これらには、現世だけではなく、未来へもどんどん引き継がれていくという考え。

例えば、良い行いをしたら良い結果が出るでしょうし、悪いことをしたら悪い結果をもたらします。

このように原因と結果が過去からずっと繋がりながら現在の自分の姿を作っているという考え方が本来の『カルマ』の意味となります。

カルマのルーツはジャイナ教

仏教が誕生する少し前に、インドにはジャイナ教という宗教が誕生しました。

ジャイナ教は、マハーヴィラという人がはじめた宗教で、苦行を推奨する宗教です。

ジャイナ教では、生命は「カルマ」が原動力となって輪廻転生をしていると考えられています。
※輪廻転生とは、死んであの世に還った‟魂”が、 この世に何度も生まれ変わってくること。

なので、‟カルマを断ちきることで自分の魂から脱せる”という考えなのです。

つまり、苦行と瞑想修行によって、カルマを浄化させ、

カルマから解放され輪廻転生しない=魂が生まれ変わらない

という教えなのです。

■補足

例えば、今の人生で人を殺傷してしまったとします。

カルマとは「自分がしたことが自分に返ってくる」という考えなので、人を殺傷してしまったという事実が来世にも引き継がれ、その人は生まれ変わっても祟られるという考え。

その運命を断つために、自分自身に苦行を課して、カルマを浄化し、輪廻転生しなくなる(魂が生まれ変わらない)わけですね。

ジャイナ教は苦行を推奨し、中でも餓死を最高に尊びます。

餓死こそ名誉ある生き方であるという考えなのです。

大変ストイックといいますか、異様な宗教観があるのですが、熱心に苦行に励む修行者もいました。

現在でもジャイナ教はインドでも信仰者の多い宗教です。

 

子供でもわかる『カルマの法則』道徳的な話

◆蜘蛛の糸(芥川龍之介)

―あらすじ―

大泥棒のカンダタは生前に犯した悪事の数々によって地獄に落とされてしまいます。
それを見ていたお釈迦様は、そんなカンダタにも「踏み殺そうとした蜘蛛を見逃してやった」
という唯一の善行があった事を思い出します。
もっとも、カンダタにとったら単なる気まぐれだったのですが・・・
お釈迦様はその善行に報いてやろうと天上から蜘蛛の糸を垂らして地獄から救ってやることにしました。
それに気づいたカンダタは蜘蛛の糸を必至で昇り始めます。
しかし、中腹ほどまできたところで、他の罪人たちも自分に続いて昇って来ていることに気づきました。
ただでさえ細い細いくもの糸。
切れてしまうのを恐れたカンダタは「降りろ!」と罪人たちに叫び、足で踏み落とします。
その途端、蜘蛛の糸はカンダタがぶら下がっているところからプツッと切れてしまい、元の地獄に戻ってしまったのでした。

蜘蛛の糸からわかる教訓話には、

1.悪い生きたかをした=地獄に落とされる
2.蜘蛛を見逃したという善行=天国から蜘蛛の糸が垂らされた
3.他の罪人たちを地獄に蹴落とした=自分も地獄に落ちた

という3つの「カルマの法則」をみることができます。

カンダタ自身は‟悪人”ですが、たった1つだけいいことをしたことが蜘蛛の糸によって返ってきましたね。

自分の行いは1つ残らず、まるで鏡で反射したかの様に、そっくりそのまま自分へと投影されことを知ることができます。

キリスト教ではカルマを否定?

旧約聖書のヨブ記には、カルマの法則が間違っていることが書いてあります。

新約聖書からも、キリストを救い主として受け入れ

罪を告白して洗礼を受ければ罪が許されて救われる

という教えがあるので、

神は人間が行った悪に対して「全く同じ悪をその人が受けることによって相殺する」という考えはありません。

そんなことをしていれば、いつまで経っても同じことの繰り返しが永遠に続くだけという考え方。

さらに旧聖書には「そして、人間には、一度死ぬ事と死後に裁きを受けることが定められている」と述べています。

つまり、‟人間は一度だけ生まれて一度だけ死ぬ”ということ。

第二に、死後私たちは裁きに会うと述べています。

つまり輪廻転生とカルマにあるような、生まれ変わってよりよい生活をする第2のチャンスはないのです。

人生には、たった一度だけ、神の計画に従って生きるためのチャンスがあるという考え方なんですね。

というわけで、キリスト教は「輪廻転生の可能性」と「カルマ」を否定していることが分かりました。

 

まとめ

少々難しいお話でしたが、いかがでしたでしょうか。

「カルマ」という言葉の意味は、

・「自分がなしたことが自分に返ってくる」

という意味で、私たちに聞きなれた言葉だと「因果応報」「自業自得」に通ずる言葉です。

人間関係や生きる上において、「カルマ」の意味は結構重要かなーと感じました。

‟良い行いをしたら良い結果として自分に返ってくる”

同様に‟悪い行いをしたら悪い結果として自分に返ってくる”

自分に悪いことが起ったら、今までの自分の行いを振り返り、自分を見つめなおす事が大事だと思わせてくれる言葉です。

この記事で、蜘蛛の糸のお話をご紹介しましたが、他にも先人が残してくれた教訓はたくさんあるので、それを忘れてはいけませんし、大事にしないといけませんね。

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