「要因」と「原因」と「起因」の違いとは?使い分けも含め意味を紹介

日本には似たような言葉がたくさんあり、違いや正しい使い方が分からなくなる時はありませんか?

「要因」「原因」「起因」もそのうちの一つで、どの場面でどの言葉を使うのが正しいのか自信を持って答えられません。

そこで今回は「要因」と「原因」と「起因」の違いと使い分けも含め意味をご紹介します。

「要因」「原因」「起因」のそれぞれの意味や違いを知って、正しく使い分けできるようになりましょう!

「要因」と「原因」と「起因」の違い

まず「要因」と「原因」と「起因」の違いを簡単に説明すると下記のような感じです。

<要因の意味>
物事の成立に必要な原因。主要な原因のこと。

<原因の意味>
結果との因果関係が明らかになっている。

<起因の意味>
物事が起こることになった原因。

こうしてみると、“因”の前にある漢字の意味が関係していることがわかりますね。

「要因」「原因」「起因」をそれぞれ覚えておこうと思っているのであれば、

『因の前にある漢字の意味が関係している』

ということを覚えておくと覚えやすいかと思います!

それでは「要因」「原因」「起因」の意味や使い分けなどそれぞれ詳しく説明していきますね。

 

「要因」の意味や使い方

先ほども触れましたが、要因の意味は『物事の成立に必要な原因。主要な原因のこと』。

“因”は「事の起こるもと」、“要”は「かなめとなる部分」という意味なので、「かなめとなる事の起こるもと」という意味になります。

物事はあらゆる因が合わさって起こりますが、その中でも「要(かなめ)」となる因、それが『要因』です。

後ほど説明しますがよく使う原因は、「これがあったから、この結果がある」という意味ですが、その「主要の原因」のことを要因と言います。

しかし、『要因』を日常会話で使うことは、あまりない気がします。

会議の報告や、レポートを書く時など、ちょっと堅苦しい場面で使われているイメージがありますが、日常会話で使うならこんなイメージ。

(要因を日常会話で使うときの例)

「貯金のない原因はなに?」

「週3の飲み会と服の買いすぎと・・・ゲームの課金かな。」←原因

「その中で一番の原因は?」

「週3の飲み会かな・・・」←要となる一番の原因(要因)

このように、その物事が成立するのに必要不可欠な部分のことを要因と言います。

簡単にいうと、原因の核部分を要因という感じです。

ちなみに「要」は人間の腰を表す漢字。

その意味から「大事なところ、無くてはならないもの」という意味になります。

<要因の使い方>

・事故の要因を特定する。

・彼の落ち込みの要因は、上司と噛み合わないことにあるようだ。

・料理が失敗した要因は、火加減にある。

 

「原因」の意味や使い方

原因の意味は『結果との因果関係が明らかになっている』こと。

「これがあったから、この結果がある」という時に『原因』を使います。

『原因』は、何かマイナスな印象を与えることが起こった場合に使われるのが、一般的です。

例えば「ダイエットが失敗した原因」というのは自然ですが、「ダイエットが成功した原因」とは言いませんよね。

「試合に負けた原因」も自然な使い方ですが、「試合に勝った原因」とは言いません。

このように何かが上手くいかなかった場合や、事件や事故などの、よくないことが起こった場合には『原因』が適切です。

<原因の使い方>

・試合に負けた原因は何なのか

・ダイエットに失敗した原因は何なのか

・オーディションに落ちた原因は何なのか

 

「起因」の意味や使い方

起因とは、『物事が起こることになった原因』をいいます。

物事が起きたきっかけのこと、つまり物事の始まりです。

これがあったから事が起きたというときに『起因』は使われます。

「原因」は「物事を引き起こすもとになること」の意味で、原因は複数あります。

その中でも、始まりとなる原因が「起因」です。

「要因」は「要となる原因」となり、それが無くては成り立たない原因を意味しており、起因が要因であることもあります。

<起因の使い方>

・この紛争は大統領の暗殺が起因だ。

・汚職の発覚が社長退陣の起因となった。

・なぜこうなったのか、起因を調査する。

 

おまけ:『理由』の使い方は?

①太ってしまった原因は運動不足
②太ってしまった理由は運動不足

どちらも間違いではありませんが、厳密には①の『原因』が正しい使い方。

『原因』は結果に対して「なぜか?」を返す場合に使います。

対して、誰かが何かをすることに対して「なぜか?」を返すのが『理由』です。

なので、

①ダイエットをする原因は太ったから
②ダイエットをする理由は太ったから

この2つの場合は、②が正しい使い方になります。

先ほど、原因はマイナスなことが起こった時に使うといいましたが、一方『理由』はどんな場面でも使っても違和感はありませんね。

 

まとめ

「要因」と「原因」と「起因」の違いや使い分けと意味をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

あらためて「要因」「原因」「起因」の3つの違いや意味はこんな感じ。

<要因の意味>物事の成立に必要な原因。主要な原因のこと。

<原因の意味>結果との因果関係が明らかになっている。

<起因の意味>物事が起こることになった原因。

“因”の前にある漢字の意味が関係していることがわかります。

何かをした時には、要因・原因・起因、そして理由が必ず付いてきます。

それらの違いを知り、きちんと使い分けできるようになるとカッコイイ大人と思われること間違いなしですね!

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