「セリーグ」と「パリーグ」
野球ファンはもちろん、そうでない方も一度は聞いたことがあると思いますが、どの野球チームがセリーグとパリーグかまではご存じない方が多いと思います。
ですが、セリーグとパリーグは同じ野球なのにルールが違うところがあったりと、知れば知るほどもっと野球を楽しく観れるはず。
そのでこの記事では、セリーグとパリーグの違いを詳しく解説したいと思います。
「セリーグ」「パリーグ」とは
まず、それぞれの概要を説明します。
「セリーグ」の正式名称は「セントラル・リーグ」
「パリーグ」の正式名称は「パシフィック・リーグ」
プロ野球の1軍はこのようにセリーグとパリーグに分かれています。
それぞれ6球団が所属しており、所属チームと本拠地は下記の通りです。
◆セリーグ
球団名 | 本拠地 |
読売ジャイアンツ | 東京ドーム |
阪神タイガース | 甲子園球場 |
広島東洋カープ | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 |
横浜DeNAベイスターズ | 横浜スタジアム |
東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮球場 |
中日ドラゴンズ | ナゴヤドーム |
◆パリーグ
球団名 | 本拠地 |
オリックスバファローズ | 京セラドーム大阪 |
北海道日本ハムファイターズ | 札幌ドーム |
福岡ソフトバンクホークス | 福岡ヤフオクドーム |
埼玉西武ライオンズ | 西武プリンスドーム |
千葉ロッテマリーンズ | QVCマリンフィールド |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 楽天Komoスタジアム宮城 |
※それぞれ全て、2018年3月時点での名称です。
セリーグとパリーグの違い
ずばり2つのリーグの違いはDH制があるかないか。
投手の役割についてのルールです。
セリーグでは投手もバッターをやるのですが、パリーグでは投手は投げる専門でバッターをやりません。
パリーグでは投手の代わりに、打つだけで守備につかない人がいるということです。
その人のことを「指名打者」と呼び、この制度のことをDH制と呼びます。
セリーグのチームとパリーグのチームが対戦するときは、どちらの球場で試合をするかによってDH制かどうかが決まります。
セリーグの球場ではDH制はなし、パリーグの球場だとDH制あり、ということですね。
人気はセリーグの方が上?
野球にあまり詳しくない人でも、巨人(現.読売ジャイアンツ)や阪神といった球団はご存知の方も多いはず。
どちらも歴史の長い球団で、昔から安定した人気があります。
巨人の人気は全国区ですし、阪神は特に関西で熱狂的なファンがいるんです。
このような人気球団のあるセリーグの方が圧倒的に人気と見られていました。
観客動員数は多かったですし、テレビ中継されることもジャイアンツ戦を中心に多かったそう。
ただ、最近ではその人気も逆転してきていると言われており、パリーグもとても人気があります。
パリーグはココがすごい!
パリーグは人気ではセリーグに押されている印象がありましたが、その分、人気を盛り上げようと様々な新しい試みが行われました。
例えば以下のようなモノです。
◆前期・後期制
パリーグで1973年から1982年にかけて導入されていた制度。
当時公式戦は130試合あったのですが、これを前半と後半の65試合ずつに分けて、まずは前期と後期の優勝チームを決めます。
そして最終的な優勝チームをプレーオフ(優勝決定戦)で決めるというものです。
◆マンデーパリーグ
これは、それまで移動日で野球のなかった月曜日に公式戦を開催するといった試みです。
最近ではありませんが、このようにいろいろな試みを行っていました。
また、その他にも今では「セリーグでも導入しているシステム」を最初に導入したものもあります。
例えば以下のようなモノ。
【クライマックスシリーズ】
レギュラーシーズンの上位3チームが、プレーオフで「日本シリーズの代表チームを決める」というこの方式もパリーグでいち早く導入しました。
【予告先発】
その日の先発ピッチャーをあらかじめ発表する方式。
これもパリーグで先んじて採用しています。
上記ように進取の傾向を持っていたのがパリーグであり、地域密着のチーム運営も相まって、今ではセリーグに引けを取らない所まで人気を獲得しつつあります。
セリーグとパリーグはなぜ分かれているのか
最初は、日本野球連盟という一つのリーグが1936年から1949年まで存在していました。
しかし、東京読売新聞の社主で巨人軍のオーナーであった、正力松太郎が構想化していた2大リーグ制を聞きつけ加盟企業が殺到。
その中の加盟申請の一つに、毎日新聞社がありこの申請を巡って、日本野球連盟が紛糾することになりました。
これが、1949年のプロ野球再編問題という紛糾事件。
要約すると、正力氏の読売新聞としてようやく軌道にのった地道な企業活動が途中から、参加して甘い汁を飲むのは、よろしくないので加盟は認めないということでした。
結果的に、この加盟申請を巡って、それぞれの思惑が交差して、元々の8チームが半分ずつに分裂する事になりました。
つまりは、仲違いから生まれたというわけです。
ですが2つのリーグに分けられたおかげで、それぞれ野球の性質を変えて日本の野球界に貢献することになりました。
ちなみに、セントラル(中央)リーグとパシフィック(太平洋)リーグという名称は、アメリカ大陸の地域割を引用したもので、特段な意味合いはないようです。
おまけ:2軍はセパで分かれていない
巨人や阪神はセリーグ、ソフトバンクや日ハムはパリーグのようにセパでそれぞれ6球団毎に分かれています。
ただ、それぞれの球団もセパで分かれているかというとそうではなく、2軍はイースタン・リーグ、ウエスタン・リーグで分かれているのです。
名前の通り東と西でわかれています。
イースタン・リーグ
・東北楽天ゴールデンイーグルス
・千葉ロッテマリーンズ
・東京ヤクルトスワローズ
・埼玉西武ライオンズ
・北海道日本ハムファイターズ
・読売ジャイアンツ
・横浜DeNAベイスターズ
ウエスタン・リーグ
・中日ドラゴンズ
・オリックスバファローズ
・阪神タイガース
・広島東洋カープ
・福岡ソフトバンクホークス
なので1軍はセリーグとパリーグ、2軍はイースタン・リーグとウエスタンリーグのように分かれているわけですね。
まとめ
セリーグとパリーグの違いや由来についての解説でした。
◆セリーグ
・正式名称はセントラル・リーグ
・DH制は無い
◆パリーグ
・正式名称はパシフィック・リーグ
・DH制がある
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