子供をもつ親にとって幼稚園に入れるか保育園にするか迷うことも多いですよね。
両方、小学校に通う前に通わせる場所だとわかっていても実際、どんな違いがあるのかわかりづらい部分もあるのではないでしょうか?
そしてなにより、出費面も気になるところ・・・。
そこで、幼稚園と保育園の違いやどちらに通わせる方が得なのか金額面も調査してみました。
幼稚園と保育園の違い
幼稚園と保育園の大きな違いは、その管轄する省庁や法律が違います。目的が違うので細かい制度も違ってくるのです。
①管轄省庁
②目的
③施設に通う対象のこども
④入る時期、出る時期
⑤学級の有り無し
⑥園それぞれのねらい
⑦保育・教育の時間や日数
⑧保護者の負担額
⑨先生の資格
ただ、特に気になる点としては
・値段
・学び
・時間
この3つではないでしょうか?
ということで、この3つの結論を最初にお伝えしておきますね。
幼稚園と保育園のお金の差
記事の中でも深くお話していますが、結論からお伝えすると・・・
幼稚園よりも保育園のほうが安い
だいたい幼稚園でかかる費用の半分が保育園でかかると思っているといいでしょう。
幼稚園と保育園の学びの差
幼稚園は教育が目的なので小学校に入る前の準備が中心です。
保育園は幼稚園のような教育がメインではありませんが、しっかりと取り入れている保育園もあります。
ただ、小学校を受験する場合などに関しては保育園よりも幼稚園のほうがいいと言われていたりもしますね。
幼稚園と保育園の時間
幼稚園は9時〜14時まで
保育園は7時半〜18時まで
という場所が多いです。なので時間に関しては保育園のほうが融通が効くケースが多いですね。
それでは、さらに細かい部分も含めてそれぞれの違いについて個別に説明していきます。
管轄省庁と目的
幼稚園の管轄・・・文部科学省
保育園の管轄・・・厚生労働省
幼稚園と保育園が大きく違うのは、教育なのか福祉なのかという点です。幼稚園は学校教育法という法律に基づき、教育の施設ということになり、保育園は児童福祉法に基づき福祉の施設ということになります。
それぞれの法律の目的を見てみましょう
幼稚園
幼児を保育し,適当な環境を与えて,その心身の発達を助長すること
出典:学教法第77 条
保育園
日々保護者の委託を受けて,保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すると
出典:児童福祉法第39 条
対象のこどもと入所・退所時期
幼稚園・・・満3歳の春から小学校に入るまでの子供
保育園・・・0歳~小学校に入るまでの子供
幼稚園には、子供の年齢の条件をクリアしていれば入れますが、保育園の方には年齢以外にも条件があります。
■保育に欠ける状況が発生したとき(入るとき)
■保育に欠ける状況が消滅したとき(出るとき)
保育に欠ける状態も法律で決まっていて、親が昼間に仕事をしていることや妊娠中、病気や同居の親族を常に介護しなければいけない状態など子供を保育できない理由が必要です。
ただし、理由によって順番や、それぞれの自治体によって入る条件の厳しさが違ってきます。
学級の有り無し
幼稚園・・・同じ年齢の子供たちで学級を作る
保育園・・・学級を作る条件はなし
幼稚園は、学校のように、同じ年齢のこどもたちで学級を作りますが、保育園では特段学級の規定はありませんので、違う年齢のこどもたちと同じクラスということもあるのです。
幼稚園・保育園のそれぞれのねらい
幼稚園・・・・「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域
保育園・・・「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域と生命の保持及び情緒の安定にかかわる基礎的な事項
幼稚園は、「教育」することが目的なので小学校に入る前の準備をする場所です。きちんと席に座っていられることや簡単な読み書きなどの指導も保育園よりも比較的多いです。
(保育園によっては、幼稚園のような教育も取り入れているところもありますので、園の方針などは確認した方が良いです)
保育・教育の時間や日数
幼稚園・・・1日の教育時間を標準4時間として各幼稚園で定める
保育時間:9時ごろ~14時ごろまで
保育園・・・1日の保育時間を標準8時間として保育所長が定める
保育時間:7時半ごろ~18時ごろまで
これ以外にも、幼稚園は夏休みや冬休みなどの長期のお休みがありますが、保育園には長期のお休みはありません。幼稚園よりも保育園の方が始まるのが早く、終わるのも遅いというイメージです。
幼稚園よりも保育園の方が安い(世帯の収入が低い場合)
保育料
幼稚園・・・幼稚園側が定める金額で一律
保育園・・・市町村ごとにその家庭の収入によって決まる
国が決めている利用者負担の上限の金額は、保護者の年収によって8段階に区別されています。
以下の表は国が保護者負担のイメージとして出している金額です。(月額)
具体的にかかる費用は、保育園の場合は家庭ごとの収入で月々の保育料はかなり変わってきます。(0円~102,400円)幼稚園はおよそ18,000円(公立)~40,000円(私立)くらいですので、世帯全体の収入が低い場合には保育園の方が安いです。
幼稚園・認定こども園(1号認定)
保育所・認定こども園
保育標準時間:11時間
保育短期時間:8時間
1号認定・・・満3歳以上の小学校就学前子どもであって、学校教育のみを受ける子ども
2号認定・・・満3歳以上の小学校就学前子どもであって、保育を必要とする子ども
3号認定・・・満3歳未満の保育を必要とする子ども
※保護者の所得とは、世帯全体の所得で決まります。つまり、お父さんとお母さんが共働きをしている場合には、所得合計額の住民税が基準となります(平成2015年4月~)
この金額を元にして、各市町村での補助によってはかなりの差がでるということになります。市町村の多くでは、第2子が保育料半減、第3子が保育料免除という風に減額をするところが多いようですが、東京都の港区では第2子も無料になるというような地区もあります。
幼稚園では一律ではありますが、保育費以外にも入園費や制服、園が指定するグッズの購入も負担となりますので注意が必要です。
公立幼稚園にかかる1年間の費用 | 私立幼稚園にかかる1年間の費用 | |
合計 | 222,264円 | 498,008円 |
授業料 | 64,357円 | 209,277円 |
その他幼稚園教育費 | 54,818円 | 110,342円 |
給食費 | 19,382円 | 36,836円 |
園外活動費 | 83,707円 | 141,553円 |
出典:文部科学省「平成26年子どもの学習費調査」
ちなみに、先生の資格の違いは幼稚園は幼稚園教諭普通免許状となり、保育園は保育士資格証明書が必要となります。
まとめ
幼稚園と保育園の違いは、子供の対象が同じでも、元々の法律から違います。子供さんの保育できる環境なのかどうかでも違ってきますし、小学校へのステップと考えるのかでもまたどちらを選ぶか変わってきます。
そして、保護者が負担する費用については、幼稚園は公立と私立では倍ほど違い、保育園では世帯の収入と住んでいる自治体の方針の違いによっても金額が大きく変化します。
保育園と幼稚園の選び方
幼稚園 | 保育園 | |
目的 | 教育の施設 | 児童福祉施設 |
入る時期・出る時期 | 満3歳の春から小学校に入るまでの子供 | 0歳~小学校に入るまでの子供 |
学級の有り無し | 同じ年齢の子供たちで学級をつくる | 学級を作る条件はなし |
保育教育の時間や日数 | 保育時間は9時ごろ~14時ごろまで | 保育時間は7時半ごろ~18時ごろまで |
お休み | 夏休みなどの長期休業あり | 長期休業なし |
保育費用(自治体の補助金や保育用具など含めず) | 月額およそ18,000円~40,000円くらい | 世帯全体の収入によって変わる。 0円~102,400円 |
元の法律がちがうため、幼稚園は「教育」と保育園は「福祉施設」という形ですが、最近では保育園でも幼稚園のようなお勉強にも力をいれているところもあるようです。
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