アイデンティティの意味をわかりやすく解説!使い方と例文も紹介

「アイデンティティ」という言葉の意味をご存知でしょうか。

何かと耳にする言葉ですが、大変分かりにくい言葉でもあります。

そこでこの記事では、アイデンティティの言葉の意味と使い方、そして例文なんかもご紹介していきます。

一見難しい言葉ですが、使い方と意味を理解すれば便利な言葉ですので、ぜひご参考ください。

アイデンティティとは

アイデンティティ(identity)という言葉を辞書で調べてみました。

・他とははっきりと区別される、一人の人間の個性
・自分の独自性を持った、ほかならぬ自分であるという感覚
・自己同一性
・個人だけでなく、組織や集団、民族などについてもいう

少々難しい言葉がならんでいますが、もっと簡単に言うと

・個性
・自分らしさ
・自己肯定感(今のままの自分でいいと思うこと)

と、なります。

アイデンティティが一番訳されるのは‟自己同一性”

自己同一性とは「自分が何者であるか認識すること」という意味の言葉です。

例えば、自分は「日本人」であり「男」であり「会社員」である、というようなことを自分自身で認識することが「自己同一性」であり「アイデンティティ」です。

自分で認識することが「アイデンティティ」で、他人が認識することではありません。

他にも、

・自分はスポーツが得意だ。
・自分は人当たりがいいので誰とでも仲良くなれる

こういうことも自分の「アイデンティティ」ですね。

ですが、先ほど説明した通り、「アイデンティティ」は自分で認識することが大事なので

周りが自分の事を‟スポーツが得意だ”と言っているが自分はそう思わない

そうなると、周りがあなたのことをスポーツが得意といっていても自分でそう認識していないので、あなたのアイデンティティは‟スポーツが得意”ではありません。

自分が認識すること=自己同一性が大切になります。

■補足
また、アイデンティティは「身分証明」という意味でも使われており、
よく使われる「ID」という言葉は
「アイデンティティ ドキュメント(Identity Document)」の頭文字です。
ドキュメントは「書類」という意味の言葉ですから、IDは「身分証明書」という意味になります。

アイデンティティの使い方

アイデンティティの意味が分かったところで、次は使い方をご紹介します。

・自分のアイデンティティは料理が得意なところだ。
・若いうちにしっかりとしたアイデンティティを確立することが重要である。
・アイデンティティを喪失し、自分が何者かわからなくなってしまった。
・自分のアイデンティティを模索する日々が続いている。

と、いうように使います。

会話で使うなら、アイデンティティは≪自分の個性≫という風に置き換えると日常会話でも使いやすいですよ。

心理学においてのアイデンティティ

【アイデンティティは心の土台】

このようにいわれる様に、心理学発達心理学の分野ではアイデンティティはとても大事な概念です。

若者が成長過程において、「自分は何なのか」という疑問にぶつかり、心理的に不安な状態におかれるのが常です。

「私は一体何者なんだろう?」
「私は一体どんな人生を歩みたいのだろう?」
「私はどんな仕事がしたいのだろう?」
「私はどうして生きているのだろう?」

という問いが、自分のアイデンティティを説明する際に挙げられます。

この問いに答えられる方はアイデンティティを獲得している状態であると言えるますね。

対して、この問いに答えられない方はアイデンティティが獲得できていない可能性があります。

つまり、自分が何者か解らず、生きている実感さえ感じられない心理状態を指します。

先ほどの例で言えば、

「私は一体何者なのか解らない」
「私は一体どんな人生を歩みたいのか解らない」
「私はどんな仕事がしたいのか解らない」
「私はどうして生きているか解らない」

これはアイデンティティの拡散状態に当たります。

自分なりの生きる価値観がしっかりしない状態では心の中が揺らぎ、グラグラしてしますよね。

すると、他者との親密な関係を築いていくことにも困難になってしまいます。

自分のアイデンティティを見つけよう

では、アイデンティティを獲得するためにはどうしたらよいでしょうか。

それは、自分の人生や仕事、生きがいなどについてしっかり答えられることです。

「私は○○な人間である」

「私は○○な人生を歩んでいく」

「私は○○の仕事に命をかける」

「私は○○するために生きている」

この○○に当てはまる言葉が見つかるように、色々と模索して自分を確立していきましょう。

心理学の先生はこのようなことを話していました。

自分のアイデンティティが見つからないからといって落ち込まないでください。
なぜならアイデンティティの獲得には長い時間がかかるからです
自分がどんな生き方をしたいか?どんな人間になっていきたいか?といった問いを常に考えていくということが大事です。
特に青年期は自分のアイデンティティに一番悩みやすい時期とされています。
さまざなまことを経験し、模索することで自分の価値観を確立していくことが大事です。
そして、自分のアイデンティティを確立して、人間関係でも良好な関係を築いていけるようにしていきましょう。

広がるアイデンティティの使われ方

・コーポレート(会社)アイデンティティ
・ナショナル(国民的)アイデンティティ
・関西人アイデンティティ

という言葉を聞いたことはありませんか?

これらの言葉に自分が何者か認識するという意味を当てはめると理解できませんよね。

なので、アイデンティティには・・・

●帰属意識
●他と区別された独自の性質

の別の意味が2つあります。

帰属意識

帰属意識とは分かりやすく言い換えると自分がある集団に所属しているという意識。

この帰属意識の意味で使われる代表例が関西人アイデンティティです。

まず、関西の人はどんな会話にもオチや豆知識、驚きを入れたい人が多い
です。

それに対して関東の人はオチのある話や特別面白い話をしようとしません。

なので、東京に住みはじめた関西人が久しぶりに関西に帰り、同じ関西弁を話す人同じノリの人がいるだけでホッとするでしょう。

このような地域(集団)に所属している意識のこともアイデンティティという言葉を使います。

他と区別された独自の性質

‟他と区別された独自の性質”を分かりやすくすると「この世界にたった1つしかない」という意味。

アイデンティティとは自分が何者か認識するという意味でしたが、それとは違って

他の誰とも違う性質を持っていることもアイデンティティと言います。

例えば、コーポレートアイデンティティ。

これは一目見るだけどこの会社か分かる

・マーク
・社名
・ブランド名
・ブランドカラー

の事を言います。

また、企業や会社だけではなく国にも独自の性質がありますよね。

例えば、イギリスには住んでいる人なら誰でも無料で医療サービスが受けられる独自の制度があります。

実際に2012年のロンドンオリンピックでは開会式にベッドに寝た子供、医師や看護師が登場しました。

オリンピックとは何も関係ないですが・・・

このように他の物と区別されている独自の性質アイデンティティと言います。

 

まとめ

アイデンティティという言葉の意味は「自分が何者であるか認識すること」。

簡単に言えば「個性」。

すなわち「自分らしさ」です。

他にも、「帰属意識」「他と区別された独自の性質」などがあります。

少々伝わりにくかったかもしれませんが・・・

アイデンティティとは「個人」や「国」、「企業」などがもつ独自性などと捉えると分かりやすいかもしれません。

テレビや会話などでもたびたび出てくるアイデンティティという言葉。

いろいろな使い方を聞いて、上手に使えるようになりましょう。

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