「音読み」と「訓読み」の違いと由来を調査!混ざる場合の覚え方も

漢字には「音読み」「訓読み」があり、それぞれ読み方が違うというのは小学校で習いましたよね。

しかし、「音読み」と「訓読み」の違いは説明できますか?

実は意外に2つの違いや区別の仕方を答えられない大人は多いんです。さらに、

・なぜ音読みと訓読みの2通りの読み方があるのか
・簡単に見分ける方法などはないのか

など疑問ではありませんか?

そこでこの記事では「音読み」と「訓読み」の違いと由来を調査し、混ざる場合の覚え方もご紹介していきます♪

「音読み」と「訓読み」の違い

「音読み」と「訓読み」の由来や違いにはこのような特徴があります。

音読み・・・ 昔の中国の発音をもとにした読み
例)山→サン、海→カイ、遊→ユウ

訓読み・・・ 日本語として漢字の文を読むために使われる読み
例)山→やま、海→うみ、遊→あそ(ぶ)

・音読み=漢字の発音だけ
・訓読み=漢字の意味を読む

漢字は、大昔に中国で生まれて日本につたわってきた文字です。

そのため、訓読みは日本語として使うために後から生まれたというわけです。

それでは「音読み」と「訓読み」の違いや由来をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

 

音読みの意味と覚え方

「音読み」を理解するにあたって、3つのポイントがあります。

・中国で読まれていた
・読んだだけでは日本語として意味が通じないか通じにくい
・熟語としてだと意味が通じる

音読みは中国の発音をもとにしているので、“音読みだけでは意味が分からない”ことがほとんどです。

たとえば『山』を音読みにして「昨日、サンに行ったよ」と聞いても意味がわからないですよね。

なので、『山』を訓読みにして「昨日、ヤマに行ったよ」なら伝わります。

このように音読みは、音読みだけでは意味が分からないことが多いのが特徴です。

音読みの使い方

1つの漢字を音読みにすると意味はわかりませんが、音読みは熟語だと意味が生まれます。

山→「山道(サンドウ)」、「火山(カザン)」
海→「海水(カイスイ)」、「海鮮(カイセン)」
湖→「湖畔(コハン)」、「摩周湖(マシュウコ)」

 

訓読みの意味と覚え方

同じく「訓読み」を理解するにあたってのポイントがこちら。

・読んだだけで日本語としての意味が通じる
・動詞などの活用語または複合語などで送り仮名がある

訓読みは、日本語としての意味が通じるのが特徴です。

ヤマ、ウミ、カラダ、ハル、ユメ(山、海、体、春、夢)など漢字がなくても読み方だけで何を指しているかが想像できます。

 

「音読み」と「訓読み」の見分け方

これから「音読み」と「訓読み」の見分け方についてご紹介します。

しかし残念ながら、音読みと訓読みの絶対的な判別法というものは、存在しないようです。

いくつか「音読み」と「訓読み」の判断方法に当てはまらないケースもあるので、その判断に迷うものは、結局は1つ1つ個別に辞書で調べていくしかありません。

以下に挙げる見分け方のコツにも残念ながら例外はあるので、だいたい「8割方判別できる」と思っていただければと。

なのである程度コツをつかんで、「だいたい分かる」くらいにすれば十分だと思います。

文字数を見る

「音読み」は、ひらがなで書くと必ず3文字以下になります。

これは、中国語では漢字1文字が必ず1音節で発音されることの名残です。

そのため、「比」を「くらべる」と読んだり、「慌」を「あわただしい」と読むなど、4文字以上になる読み方は、訓読みだということになります。

3文字になる場合でも、音読みには共通した特徴があります。

それは、2文字目が必ず小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」になるということ。

そこで、「思」を「おもう」、「遊」を「あそぶ」と読むのは、明らかに訓読みということになります。

逆に、たとえば「流」を「りゅう」、「小」を「しょう」と読むようなものは、音読みと考えてまず間違いありません。

送り仮名が必要か

食べる、優しい、慌ただしい、起きる・・・など、送り仮名がつくものは訓読みです。

なぜなら送り仮名は中国にはないからです。

送り仮名は日本独自のものなので、そう考えると「送り仮名がつくものは訓読み」と思っていいでしょう。

読み方一つだけか

実は、すべての漢字に「音読み」と「訓読み」があるわけではありません。

中には読み方が一つしかないものもあります。

漢字は中国から流れてきたので、まずは音読みがあり、必要に応じて訓読みが作られました。

なので、読み方が一つしかない場合は「音読み」と考えられます。

「ン」で終わるか

昔の日本には「ン」という音がありませんでした。

いろは歌(いろはにほへと~)でも、もともとなかった「ン」を最後に付け足して読ませますよね。

なので、昔の日本語にはなかった「ン」が入っている読み方は「音読み」と考えられます。

見分け方まとめ

【音読み】
・3文字以下
・2文字目が必ず小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」
・読み方が一つしかない
・「ン」が入っている

【訓読み】
・送り仮名が必要

 

間違えやすい「音読み」or「訓読み」問題

「音読み」と「訓読み」の見分け方をご紹介したところで、間違えやすい「音読み」「訓読み」問題をまとめてみました。

ぜひチャレンジしてみてください♪

問題①:本(ほん)

「ほん」と聞けば、ほとんどの人が同じものをイメージするかと思いますが、「ほん」は音読みです。
「本」の訓読みは「本をただす」などの「もと」です。2拍音で2拍目が「ん」であることから見分けることができます。

問題②:蝶(ちょう)

こちらも「ちょう」と聞くだけでイメージできますが答えは音読みで、訓読みはありません。
2拍音で「ちょ」の拗音が入っているため、音読みであると見分けることができます。

問題③:原(はら)

「はら」だけではイメージできないかもしれませんが答えは訓読み
音読みは「ゲン」です。
2拍音で2拍目が「い」「う」「き」「く」「ち」「つ」「ん」以外であるため見分けることができます。

問題④:生(しょう)じる

「じる」という送り仮名があるため訓読みだと思いがちですが、「しょう」は音読みです。この場合の「じる」は「~する」「~ずる」と同じ仲間で、音読み+「じる」という形になります。同じ仲間に「講じる」「投じる」などがあります。

問題⑤:一(いち)

「いち」で意味はイメージできても答えは音読み
2拍音で2拍目が「ち」なので、拍数と音でも見分けることができません。
数字(いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう、ひゃく、せん)は全て音読みなので覚えてしまうのが早いでしょう。
訓読みは「ひと-つ」です。

問題⑥:絵(え)

初見ではまず間違える問題で、音訓問題でよく取り上げられます。
「絵画(かいが)」という他の読み方があるので「え」を訓読みだと思いがちですが、「かい」「え」共に音読みです。
こちらも覚えてしまうほかありません。

問題⑦:福耳(ふくみみ)

「ふく」だけでも意味が分かりますが答えは音読みです。
2拍音で2拍目が「く」なので拍数や音では区別できませんが、「副」「幅」など同じパーツを持つ漢字に同じ読みがあります。

問題⑧:豚肉(ぶたにく)

「肉」も音訓問題でよく取り上げられる漢字です。
「豚肉」「鶏肉」など訓読みの漢字との熟語があるため間違えやすいですが、「にく」は音読みで訓読みはありません。
このように漢字に一つしか読み方がない場合は音読みのことが多いです。

 

重箱読みと湯桶読み

「重箱(じゅうばこ)読み」「湯桶(ゆとう)読み」とは熟語を音と訓の組み合わせが混ざる読み方のことです。

一般的に漢字の熟語は音読みどうし・訓読みどうしを組み合わせて読みます。

しかしその例外として重箱読み・湯桶読みというのがあります。

・「重箱読み」は前が音読み、後ろが訓読みの熟語
・「湯桶読み」は前が訓読み、後ろが音読みの熟語 です。

おもな例と一緒にみていきましょう。

重箱読みと湯桶読みの例

■重箱読み・・・音読み+訓読み
台所(「台(ダイ)」が音読み+「所(どころ)」が訓読み)
職場(ショクば)
額縁(ガクぶち)
団子(ダンご)
本屋(ホンや)
残高(ザンだか)など

■湯桶読み・・・訓読み+音読み
高台(「高(たか)」が訓読み+「台(ダイ)」が音読み)
場所(ばショ)
見本(みホン)
敷金(しきキン)
豚肉(ぶたニク)
雨具(あまグ)など

「重箱読み」と「湯桶読み」の覚え方は、結局は「音読み・訓読み」の見分け方を応用するしかありません。

【音読み】
・3文字以下
・2文字目が必ず小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」
・読み方が一つしかない
・「ン」が入っている

【訓読み】
・送り仮名が必要

なので、「ゃ」「ゅ」「ょ」「ン」で終わる熟語終わりが音読みなので「湯桶読み」といったように、応用して見分ける方法が一番有効かと思います。

少々難しいですが・・・。

 

まとめ

「音読み」と「訓読み」の違いと由来を調査し、混ざる場合の覚え方もご紹介しました。

・音読み・・・ 昔の中国の発音をもとにした読み
例)山→サン、海→カイ、遊→ユウ
・訓読み・・・ 日本語として漢字の文を読むために使われる読み
例)山→やま、海→うみ、遊→あそ(ぶ)

漢字は、大昔に中国で生まれて日本につたわってきた文字なので、訓読みは日本語として使うために後から生まれたというわけです。

見分け方のポイント

【音読み】
・3文字以下
・2文字目が必ず小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」
・読み方が一つしかない
・「ン」が入っている

【訓読み】
・送り仮名が必要

そして、音読みと訓読みが混ざる場合の読み方として「重箱読」「湯桶読み」というものがあります。

・「重箱読み」は前が音読み、後ろが訓読みの熟語
・「湯桶読み」は前が訓読み、後ろが音読みの熟語

音読みと訓読みは読み方が違うというのは小学校で習いましたが、由来や違いまでは習いませんでしたよね。

ご紹介した知識は必ず人生で必要な知識ではありませんが、誰かに聞かれた時にスッと答えられるとカッコいいですよね。

見分け方のコツにも残念ながら例外はあるので、だいたい「8割方判別できる」と思っていただければと思います。

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